このページでは、パーツフィーダの種類や特徴、対象とするワークに合わせた選び方などを解説しています。パーツフィーダのメリットを最大化できるよう、適正な選び方を把握しておきましょう。
金属製のボウルなどを振動させて、その動きでワークを移動・整列させるパーツフィーダです。振動を発生させる仕組みには電磁バイブレーターや電圧素子といった種類があり、またワークが移動する走路の設置箇所についてもボウルの内側か外側かといった違いがあります。
円形ボウルに接続したトラフを、機械的方法によって揺動させてワークを移動させるパーツフィーダです。振動ボウルフィーダに比べて振動数が低くなっており、振幅が大きいといった違いがあります。供給量は振動ボウルフィーダよりもやや劣ります。
ボックス型のホッパの底部へ平行に設置された板が上下に動き、その板でワークをすくい上げてから目的の走路へ流し込み、ワークを移動させるタイプのパーツフィーダです。小型のネジといった部品の供給へ用いられることが多くなっています。
複数の回転部を組み合わせて作られているパーツフィーダです。具体的には、パーツフィーダの中央部に傾斜のついた回転式の円盤があり、さらに円盤の周囲へ水平回転を行う走路が設置されます。また、さらにトラックの下で脱落防止用の壁が回転しています。
内部に桟(えつり:横木)の付いたドラムを回転させることでワークをかき上げ、さらにそのワークをベルトコンベアや直進フィーダなどへ載せることで移送する複合型パーツフィーダです。
たとえば右方向へ振動する直進フィーダと、左方向へ振動する直進フィーダが隣接して設置されており、一方のフィーダからもう一方のフィーダへワークを移して動かしていくパーツフィーダです。逆方向の直進フィーダを複数組み合わせることが特徴となります。
パーツフィーダを選ぶ際は、そもそもどのようなワークを供給したいのか前提を決めることがポイントです。ワークのサイズや重量が変われば必然的にパーツフィーダや走路のサイズも変わりますし、また移送方法も異なります。
その他、ワークへのダメージを抑えなければならなかったり、衛生面に配慮しなければならなかったりと、ワークの特性にも注意しなければなりません。
毎分どれくらいの量を供給できるのか、供給能力や供給量について検討することも大切です。
ただし、供給量ばかりを重視してワークへの負担が大きくなれば、結果的に品質を保つことが難しくなることもあるため、求める供給能力とワーク特性は必ずセットで考えましょう。
パーツフィーダの達成率とは、ワークの供給開始から不具合が発生するまでに供給できたワークの数量にもとづいて、正確な供給を期待できる割合(平均値)を計算した数値です。
たとえば供給量5個/分で達成率99%のパーツフィーダがあれば、20分に1回の割合で不具合が発生します。一方、達成率99.9%のパーツフィーダであれば、平均して200分間の連続稼働を期待できます。
投入量(保有量)とは、パーツフィーダが安定して稼働することを前提として、一度に投入できるワークの量であり、パーツフィーダのボウルのサイズや形状に関わる数値です。
投入量の最大値は、パーツフィーダが適正に稼働する範囲内で投入可能なワークの最大量であり、最少量とは目的の供給量を叶えられる範囲内のワーク個数の最小値となります。
当然ながら、パーツフィーダ内のワーク数が最少量を下回れば供給量も減少します。
パーツフィーダの振動によって静電気が発生すると、パーツフィーダとワークが接着したり、ワーク同士が接着したりしてチョコ停や詰まりなど不具合の原因になることがポイントです。そのため、静電気対策についても考えなければなりません。
また、作業環境の改善を考える上で騒音対策やパーツフィーダ同士の干渉対策といった点も重要です。
パーツフィーダを導入するに当たって設置スペースと本体サイズとの比較は不可欠なチェックポイントです。設置スペースに対してパーツフィーダのサイズが大きすぎればそもそも設置することは困難であり、さらに設置が可能であっても作業員の動線や作業スペースに悪影響を及ぼしては本末転倒です。
連続可能時間は一度の補給や供給でワークを取り扱える量について考えるだけでなく、メンテナンスの必要性や部品交換作業の有無など、稼働を開始してから中断するまでの時間で総合的に考えなければなりません。連続稼働時間が長くなれば効率的な作業を期待できますが、連続稼働時間が短くなれば逆に作業効率が低下してしまいます。
異なるワークを1つのパーツフィーダで取り扱おうとした場合、レール部分やセンサーなどをワークに合わせて取り替えなければならないこともあるでしょう。そのような段取り替えのしやすさは、作業効率へ直接的に影響するポイントです。必ず対象ワークの種類を最初に明確化した上で、導入を検討しているパーツフィーダの段取り替えのしやすさについて考えるようにしてください。
パーツフィーダを導入するメリットは、生産ラインの効率化や自動化、省力化といった様々なニーズへ対応できることです。また、適切な画像解析システムなどを併用することで機械的に品質管理をオートメーション化することが可能であり、不良品の見落としや部品の選別ミスといったヒューマンエラーのリスクを軽減することもできます。
製造現場のDX化によって全ての工程をシステムで一見管理すれば全体の進捗も把握しやすくなるでしょう。
デメリットは、まずイニシャルコストが発生することです。加えて、現在の生産ラインと互換性を持つ製品でなければ、作業環境や業務フローを丸ごと変更しなければならない可能性もあります。加えて、設置スペースの問題など、そもそも導入できるパーツフィーダの種類が限られている場合もあるでしょう。
また定期的なメンテナンスが必要であり、ランニングコストが発生したり、メンテナンス中は生産ラインが停止してしまったりといった問題もあります。
その他、事業規模を拡大する際に、導入したパーツフィーダが新ワークへ非対応となってしまうリスクもあります。
パーツフィーダにはワークの移送方法やサイズ・供給能力、表面加工など様々な面で違いがあり、それぞれ適しているワークも異なります。
ワークの特性とパーツフィーダの適性を合わせた上で導入しなければ、導入メリットを最大化できないどころか不具合が発生しやすくなり、結果的にデメリットが拡大してしまう恐れもあります。
当サイトでは色々なパーツフィーダメーカーを紹介しており、メーカーを比較検討した上で、専門家へ相談してニーズに合わせたプランを提案してもらいましょう。
■選定条件:
Googleで「パーツフィーダ」と検索( 2023年7月14日時点)して表示されたメーカーの41社うち、
村田精工……最も導入実績社数が多い会社として選出しました。
東レ・プレシジョン……多品種対応している中で、ワークへのキズ対策・整列機能・検査機能など、最も多くの機能を搭載している無振動式のパーツフィーダーを提供している会社として選出しました。
シマテック……唯一、24時間・365日・休日・夜間を問わず修理・メンテナンス・移設に対応している会社として選出しました。