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工場自動化の「レベル」とは

工場自動化のレベルとは

自動化のレベルとは、現時点での自動化がどこまで進んでいるかを指標となるレベルのことです。

工場の自動化を進めるうえで重要なのは、まず現在の状況を正確に把握すること。現場の課題や人手に依存している作業を明確にし、そのうえでどこまで自動化を進めるのか目標を設定する必要があります。次に、その目標を達成するために適切な技術を選定し、導入を検討することが必要です。

ここでは、工場の自動化レベルを0から5の段階に分けて考えて解説します。現在の自社工場がどのレベルにあるのか確認し、次のステップとして何を目指せばよいのか検討する材料になれば幸いです。

工場自動化レベルについて

レベル0

自動化レベル0の工場では、生産工程のほぼすべてが手作業で行われます。作業員が製品を作業台に乗せたり、ねじ締めなどの工程をすべて手作業でこなすため、人の判断や技術に大きく依存する形になります。

このレベルのメリットとしては、多品種少量生産に対応しやすい点が挙げられます。製品の種類や仕様が頻繁に変わる場合、柔軟に対応できる手作業は有効です。また、自動化に必要な高額な設備投資が不要なため、初期費用を抑えられるという利点もあります。特に、小規模な工場や新規事業立ち上げ時には、コストを抑えながら生産を開始できる点もメリットでしょう。

一方で、課題も多く存在します。作業員の技術や経験によって品質にばらつきが生じやすく、安定した品質を維持するのが難しくなります。また、機械による生産に比べて作業スピードが遅く、生産性が低いのも大きな課題。さらに、近年の労働力不足の影響を受けやすく、熟練した作業員の確保や育成が難しくなることも懸念されます。

レベル1

自動化レベル1は、手作業を基本としながらも、工具や作業支援ツールを活用して効率化を図る段階です。例えば、作業対象のワークを治具にセットして作業を行うといった方法が該当します。

このレベルの大きな利点は、機械を導入する場合と比べて初期投資が抑えられること。そのため、完全な手作業による生産体制(自動化レベル0)から一歩進んで効率化を図りたい場合、導入しやすい選択肢となります。設備投資にかかるコストやリスクを最小限に抑えながら、生産性の向上を目指せる点がメリット。

しかし、作業の主体はあくまでも人手であり、自動機械を活用する場合に比べて生産量には限界があります。大量生産を目指す場合には、さらなる自動化の検討が必要となるでしょう。

レベル2

自動化レベル2では作業の一部を機械化しつつ、作業員が主体で生産を進める段階です。例えば、コンベヤで搬送された製品に作業員が部品を取り付けるといった形態がこれに該当します。完全な手作業から一歩進め、機械と人の協働である程度柔軟な生産体制を築けます。

繰り返し行う単純作業を自動化することで、作業者の負担を軽減し、作業の正確性を高めることが可能になります。ほかにも、一貫した品質で機械が動作するため、クオリティを維持しやすくなるというメリットもあります。カタログ製品を導入するだけで実現することも可能なレベルです。また、専門的な判断や高度な技術を要する作業について対応ができない場合も、このレベルに該当します。

レベル3

単一工程に限り機械による作業を自動化するレベルです。このレベルでは、例えばパーツフィーダーを用いて部品を自動で供給・整列させ、その後、機械が組み立てを行うといった形で、機械同士が連携しながら作業を進めます。また、ワークの投入も自動化できれば、材料が供給される限り機械が稼働を続けることも可能となります。

この自動化レベルのメリットは、品質の安定と生産性の向上。作業を機械が担うことで、人によるバラつきを抑え、一定の品質を維持しやすくなります。また、連続稼働が可能になることで、生産効率を向上させることができます。そのため、より高い生産性と安定した品質を求める企業にとって、目指す価値が高い段階といえます。

ただしこのレベルの自動化には、工程ごとの専用機器や周辺機器の導入が必要となり、それに伴う初期コストが発生します。また、工場の生産ラインに適した機器の設計やカスタマイズが求められるため、単純な機械の導入に比べて時間や手間がかかる点にも注意が必要です。

工場の自動化におけるパーツフィーダーの役割を
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レベル4

自動化レベル4に到達すると、工場内の複数の工程が機械同士の連携によって自律的に運用できるようになります。たとえば、パーツフィーダーから供給された部品が自動組立機で組み立てられ、その後、検査機による品質チェックを経て、自動塗装工程へと進むといった一連の製造プロセスを、人的介入なしに行うことも可能となるでしょう。

工場内のネットワークに接続することで、生産計画の管理や在庫状況の把握、さらにはアラーム管理までを一括して行うことが可能になります。このレベルまで自動化が進めば、工場の稼働に必要なオペレーターは最小限に抑えられ、数名の管理者が監視するだけで生産を継続できる体制が実現します。

ただし、工程ごとの機械をスムーズに連携させるには、システムの構築や工場レイアウトの最適化が不可欠です。高度な知識や技術が求められるので、導入には慎重な計画と投資が必要となるでしょう。

レベル5

自動化レベル5に到達すると、工場の「完全自動化」が実現され、すべての生産設備が各工程やフェーズと密接に結びつきながら運用されるようになります。各機械にはセンサーが搭載され、故障の兆候を検知して事前にアラームを発することで、予知保全が可能に。また、設備から収集した情報をリアルタイムで分析し、その結果をフィードバックすることで、機械の設定パラメータの最適化や設備の改良を継続的に行うこともできるでしょう。

このレベルに到達すれば、製造現場に人員が常駐する必要はほとんどなくなり、基本的には保全・保守作業の際にのみ人材が必要となる状態になります。その結果、人件費の削減や人材不足の課題解決にも貢献します。

しかし、すべての工場が必ずしもこのレベルを目指すべきとは限りません。完全自動化を導入するには、多額のコストがかかるだけでなく、工場のスペース確保や生産ラインの柔軟性の低下といった課題も伴います。そのため、自社工場の業務内容や経営方針に合わせ、適切な自動化レベルを見極めることが重要となります。

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