ボウルの汚れや静電気、不良品混入などが原因でない場合、次のような原因が考えられます。
駆動部に重量やバランスが異なるボウルを取り付けると、駆動部にかかる負荷が変わり、共振周波数(振動の性質)が変わります。
また、共振周波数が変わっているのに、以前のコントローラーの設定のままで使うと、振動がうまく伝わらずに弱くなることがあります。この場合、駆動部をコントロールするためのコントローラーの設定を調整する必要があります。
コントローラーの「フリークエンシー」という項目を調整し、振動の振幅が最大になる「共振点」を見つけます。この共振点が、最も効果的に振動を伝えられるポイントです。また、共振点を見つけたら、「マスターボリューム」を使って振幅の強さを適切なレベルに調整します。
近年のコントローラーは、駆動部に取り付けるボウルの重量が異なっても、コントローラーの設定だけで振動を調整できるものが多くあります。 もしコントローラーによる調整だけではうまくいかないことがあれば、駆動部に使われている「板バネ」や「エアギャップ」、「バランスウェイト」などを適正な状態に調整するとよいでしょう。
ボウルの中のワークが多いと振動が弱くなる、またはワークが少ないと振動が強くなり、選別部分で部品が落ちて供給数が減ってしまうなどの問題が生じている場合、センサーとコントローラーの使用で改善できる場合があります。
近接センサーを取り付けることで、駆動部にかかる負荷(つまりボウル内のワークの量)を感知し、その量に応じて振動の強さを自動的に調整できます。また、ワークが多くて負荷が大きい場合でも、最適な振動に保つように振幅(振動の幅)を自動調整することで、振動のムラを減らすことができます。
振幅の自動調整には、振幅センサーに対応したコントローラー(周波数可変式コントローラー)が必要です。周波数可変式のコントローラーは、ボウル内のワークの量に応じて適切な周波数に調整し、駆動部の振動が極端に変わらないように保つ役割を果たします。
フリークエンシーは、コントローラーによって制御される駆動部の振動周波数のことです。この周波数を適切に設定することで、パーツフィーダーが効率的に動作し、部品をスムーズに供給できます。
年式が古いコントローラーでは、振動が弱く感じることがある場合、フリークエンシーの再調整が有効です。古いモデルの場合、調節するつまみは内部に隠れている場合があります。調整方法としては、コントローラーのフタを開け、基盤上のつまみにドライバーを差し込み、左右に回して調整します。このつまみを調整することで、駆動部が最も大きく振動する「共振点」に周波数を合わせることができるでしょう。
一度共振点に合わせたら、次に振動の強さを「マスターボリューム」で調整します。
長い間使用していると、コアを固定しているボルトが緩んだり、コイルが劣化したりすることがあり、それによって共振周波数が変わります。
工場内の電圧が変わる時間帯(昼夜など)によっても共振周波数が変わります。電圧の変動が駆動部に影響を及ぼし、周波数の調整が必要になることがあります。
温度の変化によっても駆動部の振動に影響が出る場合もあります。
パーツフィーダーに投入されている部品の量や重さも、コアにかかる負荷を変化させ、共振周波数に影響します。
最初に適切な設定をしていても、使用環境の変化によって共振周波数が変わることがあります。そのため、部品の動きが悪化するなどの問題が発生する場合があるのです。共振周波数が原因であれば、フリークエンシーの再調整を行うことで問題を解決できるでしょう。
特に年式が古い駆動部の場合、長い期間の使用により共振周波数が変動しやすいため、適宜確認・調整を行うとよいでしょう。
電磁式と圧電式の駆動部には、それぞれ専用のコントローラーが必要です。電磁式駆動部には、電磁式用のコントローラーを、圧電式駆動部には、圧電式用のコントローラーをそれぞれ使用しましょう。
異なるタイプのコントローラーを間違って接続すると、正しく動作しないだけでなく、電気回路が破損する恐れがあるので注意が必要です。
コントローラーには全波駆動と半波駆動があり、それぞれ専用のコントローラーを使う必要があります。
誤って、全波駆動の振動体に半波専用のコントローラーを使うと、振動が不足してしまいます。同様に、半波駆動の振動体に全波専用のコントローラーを使用しても、やはり振動不足に陥りやすくなるのです。
もし、コントローラーに全波/半波を切り替える機能がある場合は、使う駆動部に合わせて設定を切り替える必要があります。この切り替えを誤ると、適切な振動が得られず、パーツフィーダーの性能が落ちる可能性があります。
コントローラーの基板に入力電源(200V/100V)を切り替えるスイッチがある場合もあります。この場合、使用する駆動部の仕様に合わせてスイッチを切り替えなければなりません。
もしスイッチの切り替えを間違えた場合、コントローラーの回路がショートしてしまう危険があります。電源を入れる前に必ず確認することが重要です。
コントローラーの基板に全波/半波の切り替えスイッチがある場合は、使用する駆動部に合わせて切り替えを行います。この操作を正しく行わないと、振動が不足する原因になります。
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