パーツフィーダは、ひとつひとつの部品の向きを揃えて次の工程に流す役割を持った装置です。製造工程に組み込むことにより、作業効率を大幅に向上させる、人的なミスを削減する、人手不足を解消するなどさまざまなメリットが得られます。
しかし、導入にあたってはいくつか注意しておくポイントもあります。こちらの記事では、パーツフィーダを製造工程に組み込む場合に注意したい点についてまとめました。
製造工程にパーツフィーダを取り入れた場合には、業務の効率化などさまざまなメリットが期待できる反面、注意しなければならないポイントもあります。ここでは、どのような点に注意が必要なのかをまとめていますので、あらかじめ確認しておきましょう。
パーツフィーダを設置する際に注意する部分のひとつが「設置スペース」です。搬送する部品の大きさ・重量・数によってパーツフィーダの大きさが変わってきます。そのため、パーツフィーダを導入する場合には、実際に導入する機器の寸法を確認し、そのサイズに合ったスペースを確保する必要があります。
振動式パーツフィーダにおいては、振動数によってワークの搬送状況が変化します。そのため、周りに異なる振動源がある場合には、パーツフィーダの振動に影響を与える可能性があります。また、逆にパーツフィーダから発生する振動が、周りの機器に影響を与える可能性もありますので、防振対策などを行って他に振動が伝わらないようにする必要があります。
さらに、パーツフィーダからは一定の騒音が発生します。駆動源の振動や部品同士の接触によるものですが、周辺環境において騒音値の規定が設けられている場合には、その値を超えた騒音が発生していないかを確認しましょう。
パーツフィーダの構造により、全ての部品を同一の向きに合わせられないケースもあります。この点から、ボウルフィーダーの出口にはそれぞれの部品の向きを選別するための部位が設けられており、向きが合っていない部品についてはボウルの下部に戻されます。
この時に装置自体の姿勢が傾いていると、目的の向きに矯正できないケースがあります。そのため、装置が水平になっているかを確認しながら設置を行う点も、パーツフィーダ導入時に注意したい部分といえます。
同一のラインで組み立てる製品を変更する場合、供給部品を変えるケースがありますが、この場合、変更する部品の形状に合わせたガイドの細工が求められます。もし、向きを合わせる部品がボルトや円筒部品など単純な形状の場合には、ガイドの製作は簡単に行える反面、複雑な形状を持った部品を取り扱う場合にはガイドの細工に手間がかかることになる点には注意が必要です。
このような面から、画像認識を用いてワークの向きを判別することに加え、産業用ロボットによるピッキング・整列を行うシステムの活用によって、段替えを必要としないパーツフィーダのシステムを構築するケースも見られます。
パーツフィーダによる作業を行う中では、部品同士が接触するためにどうしても静電気が発生します。中でも小さくて軽く、導電性を持たない部品を扱っている場合には、強い静電気を帯びてしまう可能性もあります。
工場においては他の機器も通電していることから、静電気による事故が発生しないように対策が必要といえるでしょう。
こちらのページでは、製造工程にパーツフィーダを取り入れた際に注意しておきたいポイントについて解説してきました。パーツフィーダは導入により作業効率が向上するなどメリットが多い装置ではあるものの、本記事で紹介したように設置するスペースや騒音・振動、静電気などさまざまな面において注意が必要です。このような点をあらかじめ頭に入れておき、実際に導入を行う際に対策等を行うことが大切といえるでしょう。
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