パーツフィーダにおいては、「ツーリング設計」が非常に重要であるとされています。そこでこちらの記事では、ツーリング設計がなぜ重要なのかという点から、ツーリングの基本要素や設計時の考え方などについてまとめました。
ツーリングとは、ボウルやトラック上に設ける「ガイド」「仕切り」「選別機構」といったように、ワークを整列させるために設計される機構一式を指します。ワークの方向や姿勢の正誤判別を行い、整列させる役割を持っています。
同じ駆動部でも、ツーリングの設計は、詰まり・噛み込みの発生率へ直結し、騒音・傷の発生への影響、排出能力を左右します。このように、設計の精度が設備の稼働効率にも関わってくるため、ワークの形状や特性に合わせてツーリングを設計することが重要であるといえます。
ツーリングは、姿勢が整った部品を同一方向に整列させる役割を持っています。ツーリングを設計する際には、まずどの姿勢で部品を次の工程に渡すかを決め、その姿勢に導くためにツーリングを組み立てていきます。
ツーリングを構成する基本的な要素には、「レール形状(幅、高さ、勾配)」、「ガイド・仕切り(壁、フラッパ、カバー)」、「選別機構(穴あきプレート、段差、スリットなど)」などがありますが、それぞれが「姿勢を決める」「不要な姿勢を落とす」「流れを安定させる」役割を持っています。
ここでは、レールやトラックを設計する際の考え方について解説します。「レール幅とワーク寸法の関係」「勾配・段差の考え方」「流れを止めないためのポイント」という3点についてまとめましたので、設計の参考にしてください。
設設計では、レール幅が重要なポイントのひとつです。例えばレール幅が広すぎるとワークの横倒れや回転が発生することによって姿勢が乱れてしまいます。逆にレール幅が狭すぎる場合には、噛み込みなど詰まりの原因となるため、ワークに適したレール幅にて設計を行うことが重要です。
また、設計時にワークを長手方向で流すか短手方向で流すかについてもはじめに決めておきます。
次に、勾配や段差についても検討します。これは、上り勾配は重心を後方に移すことによって、安定した姿勢へと誘導できます。また、段差は高さの違いを利用して特定の姿勢のみを通過させ、不要な姿勢を落とすために使うことができます。ただし、急すぎる勾配だと流れを阻害してしまい、緩すぎると選別を行う際の効果が弱まってしまうので、バランスが重要です。
ワークの流れを止めないためには、「コーナー部にRを設ける」「縦方向のうねりをできる限り緩やかにする」などの工夫が大切です。また、量産の際のバラツキを考慮したクリアランス設定も重要です。
姿勢の制御や選別・排除の設計は、まず「望ましい姿勢」と「NG姿勢」を紙に書き出し、それぞれがレールの上をどのように通過するかをイメージします。例えばねじの場合にはねじの頭が上、ねじ部が下となっている状態であれば、そのまま締結工程に送ることができますが、逆に軸が横向きで寝ていたり軸が傾いている状態ではレール状で詰まりやすくなったり流れが乱れたりする可能性があるので、NG姿勢です。
これら、NG姿勢のワークの排除方法には、例えば段差で落とす、スリットに落とす、ガイドにひっかけるなどの方法があります。
また落としたワークを再循環させることにより、歩留まりを落とさずに選別できますが、選別を行いすぎると流れが途切れたり、詰まりやすくなったりするため、ツーリングはシンプルに保つことが大切です。
設計では、静音化やダメージ低減についても考慮する必要があります。レールやボウルの材質と表面仕上げがワークへのダメージや騒音に影響するので、コーティング・シートの活用が有効です。樹脂シートやウレタン、ゴムなどが使われます。
「傷許容が厳しいもの」「軽いワーク」などのワークの特質による要求や、高速での供給などの、工程から生まれる要求があります。これらの要求を満たすため、落差を小さくする・急な段差を避ける・ストッパ形状を工夫するといった形でワーク同士が衝突しにくいレイアウトについて検討します。また、騒音対策として、カバーやボウルの形状についての工夫も有効です。
設計の際には全てがうまくいくとは限らず、失敗をしてしまうケースもあります。ここでは、設計時によくある失敗例と、設計・試作段階でしっかりと確認しておきたいチェック項目について紹介していきます。
よく見られる失敗例としては、図面上では問題ないが、実際には量産品のばらつきで詰まってしまうケースがあります。また、勾配や段差の設計がシビアすぎるため、微小な調整でしか成立しない状況になってしまった、設計時に「キズ許容量」を考慮していなかったことで後工程からクレームがくる、といった事例が考えられます。
設計時や試作を行う段階で、しっかりとチェックしておきたい項目としては、以下のものが挙げられます。
こちらの記事では、パーツフィーダにおけるツーリング設計についてまとめてきました。
ツーリングは、設計後に試験を行った際、設計段階では出てこなかった現象が出てくるといったケースもあります。また、短時間の稼働では気づかなかったことでも、長時間の稼働により問題点が見えてくる可能性も考えられます。このような点から、ツーリング設計においては一度で完璧なものを目指すよりも、試作・現物確認を前提にブラッシュアップする設計プロセスが現実的であるといえます。
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