工場では近年、多品種生産が求められています。ここでは、多品種に対応できるパーツフィーダーなどについて紹介します。
インダストリー4.0とはドイツで進められている製造業振興策のこと。IT技術の導入によって、工場の自動化を目指す政策となります。
近年日本でも、IT技術の浸透によって生活を快適にすることを目的としたDXをはじめ、さまざまな政策が打ち出されています。中国やアメリカなどでも政策が出されていて、第四次産業革命を意識した政策は世界各国で行われているのです。
第四次産業革命が目指す方向性のひとつとして、マス・カスタマイゼーションがあります。マス・カスタマイゼーションとは、大量生産と個別受注生産を組み合わせた生産方式のことです。
そして、マス・カスタマイゼーションを目指す第一歩として、多品種生産が注目されています。多品種少量生産の仕組みを確立後、現在の大量生産の仕組みを合わせることで、多品種大量生産の体制が整います。
多品種生産に取り組むうえで、現在のパーツフィーダーには課題があります。パーツフィーダーのワークはボウルの振動によってシュートへと送り出されますが、整列させてスムーズに送り出すために、ワークに合わせてボウルの形状や傾斜の付け方などを作り込みます。
つまりボウルはワークごとによって異なるため、汎用性を持たせることが難しいのです。今後に向け、1台でいろいろなワークに対応できるパーツフィーダーが求められています。
多品種対応が可能なパーツフィーダーとして、製品ごとに対応したアタッチメントを設置する方法があります。例えば、パーツフィーダーのボウルのアタッチメントを取り替えることで、違う種類の製品を供給することができます。
多品種に対応できるパーツフィーダーもあります。東レ・プレシジョンの「トレフィーダ®S」は、1機種で複数品種に対応することが可能です。品種切替えは、数点の部品交換とセンサ閾値調整のみとなっています。
また、無振動のワーク整列ができるためダメージレス搬送が可能です。リニア部のエア浮上搬送によって、ワークへのダメージを大幅に抑制します。帯電抑制構造であるため、ワークが機体構造物と接触する箇所が少なく、ワーク帯電トラブルも起きにくいでしょう。
1967年の創業以来半導体の製造加工業を営んできた鈴野製作所は、求められるニーズの多様化に対応する製品開発を行っています。そんな鈴野製作所が開発した「SVシリーズ」は、ロボットピッキングに特化した多品種対応のフレキシブルパーツフィーダーです。
産業用ロボットと画像システムを組み合わせることで、多種多様なパーツをパーツフィーダー1台で供給します。タッチパネルが標準搭載されているため、実際の動作を確認しながら容易にパーツの搬送スピードやプログラム登録することが可能です。
■選定条件:
Googleで「パーツフィーダ」と検索( 2023年7月14日時点)して表示されたメーカーの41社うち、
村田精工……最も導入実績社数が多い会社として選出しました。
東レ・プレシジョン……多品種対応している中で、ワークへのキズ対策・整列機能・検査機能など、最も多くの機能を搭載している無振動式のパーツフィーダーを提供している会社として選出しました。
シマテック……唯一、24時間・365日・休日・夜間を問わず修理・メンテナンス・移設に対応している会社として選出しました。