工場のパーツフィーダーを使用していると、以前よりも供給能力が落ちていることが気になることがあるでしょう。パーツフィーダーの能力低下には、当然ですが原因・理由があります。
ここでは、特に朝方起こることが多いパーツフィーダーの能力が落ちる原因と対策について紹介します。覚えがある方はぜひ参考にしてください。
工場のパーツフィーダーは、ワークが上がってこない、供給量が減る、振動が弱くなったなどの不具合が見られることがあります。
パーツフィーダーの不具合は朝方に見られることが多いのですが、実は工場内の室温が低い始業時にも見られるケースがあります。朝方や始業時の能力低下対策としては、室温調整や駆動部の予備運転(試運転)、定振幅装置の使用などが検討できます。また、他にもパーツフィーダーの能力低下を引き起こすとされる原因があります。それらの原因と合わせて、対策につなげていけると良いですね。
駆動部の振動にムラが生じるのは、近接センサーと周波数可変式のコントローラーを使用することで駆動部にかかる負荷に応じた最適な振動幅を調整することができるため、改善できる可能性があります。
また、駆動部のエアギャップが適正でない場合は振幅が不足するだけでなく金属の異音が生じることもあるため確認は大切です。架台がしっかり設置されているか、ボウルと駆動部に異物が挟まっていないかも確認しておきましょう。
駆動部が振動しない場合は、入力電源や配線を確認しましょう。
ワークに油が付着していると供給能力の低下につながります。繊維があまりケバ立たないペーパータオルのような素材で付着した油をふき取りましょう。このとき、繊維がワークに残らないよう拭き取る素材には注意が必要です。油分が付着したワークを木や紙の容器に収納するようにすれば、余計な油分が吸収されるため油分による供給能力低下を防ぐことができます。
また、シュートの溝内にごみや傷がある場合も供給能力の低下を引き起こす可能性があります。ショートカバーや側壁に変形がないかについても確認しておくと良いでしょう。
コントローラーの電源が入らないときは、入力電源や配線を確認しましょう。また、コントローラー内部にあるケーブルコネクターが十分差し込まれていないことがあるので、そちらも確認が必要です。定振幅センサーを取り付けている場合は、センサーの取り付け状態に合わせた設定かどうかを確認してください。
また、コントローラーの周波数設定が間違っている可能性もあります。間違っていると装置を痛めたり性能が落ちたりする原因となるため気を付けなければいけません。
パーツフィーダーは、駆動部の振動が弱くなる、供給能力が落ちるなどの不具合が起こることがあります。朝方や始業時は特に温度などが原因で能力が落ちることがあるため、室温を調整する、予備動作させるなど対策しましょう。他にも、ワークの油汚れや変形がないかをチェックする、コントローラーの設定を確認するなどにより、能力が落ちる対策ができます。
これらの対策をしても改善されない場合は、業者への相談が必要となります。万が一に備え、不具合が生じた際の連絡先を確認しておくようにしましょう。
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