パーツフィーダーのバランスウエイトは、駆動部の強弱や振動を調整するためのおもりです。バランスウエイトの位置の違いにより排出能力にも差が出てきます。この記事では、バランスウエイトについての基本情報を確認するとともに、バランスが悪い原因や対処法について紹介します。
パーツフィーダーのボウルバランスを調整するためのおもりが、バランスウエイトです。一般的にボウルや駆動部上部の外周に固定されています。未加工のボウルの外周にトラックを延長し、選別部分やワークの回収部分が設けられていることで発生する張り出しが原因で、ボウルの重心がずれてしまうのです。バランスをとらなければバネが折れたり、ワークがスムーズに進まず不規則になったりする恐れがあります。
バランスウエイトは選別箇所が多いボウルなどの場合、バネの設置枚数や厚みで調節できればつけなくても済む場合もあります。
ボウルのバランスが悪くなってしまう原因として、ボウルにトラックや回収、アタッチメントなど付属物を取り付けたことでその重さによりワークの軌道が変わり、ボウルの部位によって振動にも差が出てきます。この状態が「バランスが悪い」と言われるものであり、ワークが意図していない方向へ進んでしまう、搬送する速さが一定ではなく供給能力低下の原因にもなるのです。
ボウルのバランスが悪い場合は、まずボウルや駆動部に適正なバランスウエイトを取り付けることを検討しましょう。ワークの軌道を適切な位置に修正できれば、振動も調整でき供給能力を戻すことができる可能性があります。搬送ムラも改善することができるでしょう。
また、バネを調整することで振動のバランスを調整することもできます。バネの角度を寝かせると振動が荒くなり良く進む、バネを立てると微振動になるなど調整できるのです。ただし、板バネ調整やバランスウェイトの調整には専門的な知識と技術が必要となります。説明書を読んでも理解が不十分である、心配であるような場合は業者に問い合わせた方が安心です。
直進フィーダー(リニアフィーダー)は従来のバネ調整が不要となり、振動変化調整が容易にできる特徴があります。直進フィーダーはバランス調整済みのものが搬入されるため、自分で調整することはないかもしれません。ただし、ボルトが緩んだなどが原因でおもりの位置が変わってしまった場合は調整が必要となります。
直進フィーダー、シュートのウエイトはボルトを緩めて前後に動かすことで振動を変化できます。ワークが均一によく動く位置でウエイトを固定しましょう。可動式ではないウエイトの場合は、フィーダー前後のバネの枚数を変える、シュート前後の長さを変えるなどで振動を変化させるようになっています。
パーツフィーダーのおもりは、一般的にボウル、駆動部上部の外周に固定されているものです。固定式の場合は、フィーダーの前後のバネの枚数やシュートの前後の長さを変える、シュートの側面や裏側の前後におもりを取り付けることにより振動を変化させることができます。
直進フィーダーは、カウンターウエイトを装備することで従来より長いトラフが搭載できることもあります。カウンターウエイトはスライドさせることで調整が簡単にできるようになっているのが特徴です。振動数と取り付けベースの間にバランスウエイトを設置している製品もあります。
パーツフィーダーのバランスウエイトは、駆動部またはボウルの振動の強弱、方向を調整するためのものです。ボウルや駆動分に適正なウエイト(おもり)を取り付けることでワーク軌道を安定させ、振幅を調整することもできます。バランスは供給能力にも影響するものですから、バランスの振動調整は非常に重要です。
バランスウエイトの調整は、直進フィーダーであれば比較的容易になっています。ただし、説明書の理解が不十分のまま作業することはお勧めできません。少しでも不安があれば自分で調整することはせず、業者に連絡をして対応について相談した方が安心でしょう。
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