エスケープユニットとは、パーツフィーダから供給されるワークを独立・分離させた状態で供給するための装置。ワークの特性やユーザーのニーズに応じ、基本的にはオーダーメイドでエスケープユニットが制作されます。
ここでは、エスケープユニットの概要や目的、具体的な事例などをご紹介しています。
エスケープユニットとは、パーツフィーダから制限なく供給されるワークを、それぞれ「独立・分離」させて供給させる装置のこと。その働きは「切り出し」「切り離し」などと表現されることもあります。
駆動方式がエア式であれ電気式であれ、エスケープの動作には電気制御が必要。エア式の場合にはメーカーがユニットの動作確認等を行い、電気制御はユーザーに任されることが一般的。電気式の場合には多点位置決めなどを行うこともあるため、電気制御までメーカーが行うことが一般的です。
なお、エスケープユニットはワークの特性や形状などにあわせ、様々な設計が検討されます。そのため、ユーザーからの詳細な情報提供なくして適切なエスケープを検討することは困難。メーカーと十分な打ち合わせの上、各現場に適したエスケープユニットを企画していく形となります。
以下、株式会社大善の公式HPから、同社が手がけたエスケープユニットの事例をご紹介します。同社では、ユーザーからの詳細なヒアリングに基づき、ワークに適したエスケープを検討しています。
「横切り」とも呼ばれるエスケープユニットで、横方向へのスライドによってワークをエスケープさせます。ビスの切り出しなどによく使われる方式です。数あるエスケープの中では、もっとも一般的に見られる方式と思われます。
「ピンを立てた状態で整列させたい」というユーザーからの要望に応じ、設計したエスケープユニット。ピンの先端が尖っているため、パーツフィーダだけで立てた状態で整列させることが困難でした。そこで株式会社大善では、パーツフィーダから長手方向でピンを排出し、エスケープによってピンを立てるという方式を採用。タクトにも余裕があったことから、無理なくこの方式が実現しました。
ボウルフィーダで整列を行う際、ワーク同士に部分的な重なりが生じることもあります。この場合、ボウル内では解決できない場合もあることから、ワーク同士が重ならないための対策として、リニアフィーダ上でワークを分離するためのエスケープユニットを制作しました。一度分離すると、以後ワークが重なることはありません。
エスケープユニットの概要や目的、具体的な事例などをご紹介しました。
エスケープユニットは、ワークの特性に応じ、基本的にはオーダーメイドでの設計が検討されます。オーダーメイドである以上、現場のニーズに応じた様々な要望に対応できる可能性もあるでしょう。関心のある企業様は、専門メーカーにお問い合わせください。
■選定条件:
Googleで「パーツフィーダ」と検索( 2023年7月14日時点)して表示されたメーカーの41社うち、
村田精工……最も導入実績社数が多い会社として選出しました。
東レ・プレシジョン……多品種対応している中で、ワークへのキズ対策・整列機能・検査機能など、最も多くの機能を搭載している無振動式のパーツフィーダーを提供している会社として選出しました。
シマテック……唯一、24時間・365日・休日・夜間を問わず修理・メンテナンス・移設に対応している会社として選出しました。