こちらの記事では、「パーツフィーダー×ロボット連携」のメリットについて解説しています。また、従来型のパーツフィーダーではどのような課題があるのか、パーツフィーダー×ロボット連携システムはどのような仕組みになっているのかといった点を解説。さらに、システムを導入した場合に期待できるメリットと導入時の注意点もまとめています。
従来型のパーツフィーダーを使用している場合には、新しい製品の導入やワークの形状を変更するたびに高額なボウル(ボウル・アタッチメント)について設計の変更や買い替えを行う必要があります。さらに、複雑な形状のワークや傷つきやすいデリケートなワークの整列が難しいといった技術的な限界もありました。
以上のような課題を解決するために、柔軟性を持ったロボットとの連携(フレキシブルフィーディング)が求められます。ロボットの柔軟性を活かすことにより、多彩なワークの安定供給が可能になります。
ここでは、「パーツフィーダー×ロボット連携システム」の仕組みについて解説していきます。「バルク供給」「反転・分散」「ビジョン認識」「ロボットピッキング」という4つの工程について、順を追って説明を行っていますので、それぞれの工程ではどのようなことが行われているのかを見ていきましょう。
まず、整列させたい部品(ワーク)を事前に位置合わせをせずに、パーツフィーダー(振動プレート等)の上にランダムに導入する工程です。この場合作業者が手作業で細かく整列させたりする必要がないため、手間を大幅に削減することが可能であり、生産工程における部品供給の省力化や効率化を図ることができます。
パーツフィーダー(振動プレート等)に投入された部品は、ランダムに投入されるために重なったり、表裏がバラバラになっている状態です。このような状態でプレートを振動させることによって、ワークの重なりをほぐせます。この作業は、ワーク同士のダメージを軽減することに加え、画像認識による安定したピッキング(取り出し)を行うにあたって必要となる段階です。
上部に設置されているカメラ(画像処理システム)によって、重なりがほぐれた状態のワークを撮影します。ここで画像処理技術を活用することによって、どのワークがロボットによってピッキング可能な向きとなっているのかを瞬時に認識し、座標の特定を行います。このステップで取得した位置座標データはロボットに送信されます。
画像処理システムから送信された位置座標データをもとにロボットアームが動くことによって、正確にピッキングを行えるようになります。ピッキングされたワークは、次の工程の組み立て機や検査などを行うために整列され、供給が行われます。ピッキングをロボットが行うことによって自動化できますので、作業の負担軽減や人為的なミスを減らせます。
ロボット連携の導入によって、さまざまなメリットが期待できます。ここでは、具体的にどのようなメリットが予想されるのか、という点について「多品種変量生産への圧倒的な対応力」「設備コストの削減と省スペース化」「ワークへのダメージ(傷・打痕)防止」という3つの観点から解説していきます。
ロボットの連携を導入した場合、多品種変量生産への対応力が向上するのがメリットのひとつです。例えば製品やワークの形状が変わったとしても、高額なボウルを丸ごと買い替える必要はなく、ロボットのハンド(チャック)の交換や、ビジョンのプログラム(レシピ)を切り替えるだけで、さまざまな部品に柔軟かつ迅速に対応できるようになります。
設備コストの削減と省スペース化につながるという面もあります。ロボット連携を導入すると、ワークごとに専用のパーツフィーダーを何台も並べる必要がなくなり、1台のシステムに集約できます。このことにより、初期の設備投資コストを抑えられるとともに、生産ラインのフットプリント(占有面積)の大幅な削減にもつながります。
従来のように、ボウル内を長時間循環させる必要がなくなります。そのため、傷つきやすい樹脂製品や精密電子部品、塗装済みの部品なども傷付けずに供給できるようになります。このように、ロボット連携を行うことによってワークがダメージ(傷や打痕など)を受けてしまうといった状況を防げます。
ロボット連携を導入することによって多数のメリットが期待できますが、実際に導入を行う際には「導入のポイント・注意点」を押さえておくことが大切です。
まず、タクトタイム(サイクルタイム)の検証を行うという点が求められます。「振動」「カメラ認識」「ロボットの動作時間」が絡んでくるため、目標として設定したタクトアイムをクリアできるかを事前にシミュレーション(テスト)を行うことが必要です。
また、導入時には「フィーダー」「ビジョン」「ロボット」という3つの要素を高度に統合することが求められるため、実績のあるパートナー選びが重要になってきます。この点から、設備の導入時にはシステムインテグレータ(SIer)の選定を重視することも大切です。
従来型のパーツフィーダーの場合には、新製品の導入やワーク形状の変更ごとにボウルの設計変更や買い替えを行う必要があるなどさまざまな課題を抱えていました。このような課題を解決するために導入されているのが、「パーツフィーダー×ロボット連携システム」であるといえます。
このシステムを導入することにより、多品種変量生産への対応力が向上する、設備コストと削減・省スペース化、ワークへのダメージ防止といったメリットが期待できます。この点から、パーツフィーダーとロボットの連携は、これからのスマートファクトリー化や多品種生産を行うにあたって強力な武器となるといえます。
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