パーツフィーダーで部品を整列させることはできても、シュートの途中で部品が重なる、向きが不適切になるなどが原因でワークがつまってしまうことがありますが、この悩みはトラック・シュート設計で解決できる可能性があります。ここでは、パーツフィーダーのトラック・シュート設計について概要や導入時に注意すべきポイントなど紹介します。
パーツフィーダーのトラックとシュートは、バラバラになっている部品・ワークを組み立て位置まで整列させながら搬送する一連の流れを担当しています。
トラックはパーツフィーダー本体の内部にあるらせん状のレールです。投入された部品を振動で一列に並べて上へと運びます。
部品が一定の姿勢・速度で搬送されるのは、トラックの途中に部品形状に合わせた切り欠きやゲートなどがあるためで、これによって正しい向きを向いている部品を運ぶことができます。
ショートはボウル(トラック)出口から組み立てロボットまで部品を搬送する滑り台部分を意味します。傾斜をつけて自重ですべらせる、エア補助を利用する、振動を利用して搬送するなどの方式があります。ワークの性状に応じて適した排出能力になるようにします。
トラック・シュート設計において、詰まりなどのトラブルなく安定した供給を行うため重要となる4つの要素について解説します。
隙間(クリアランス)は、適切なものにしなければワークを安定して流すことができません。広すぎるとワークが重なったり蛇行したりする恐れがありますし、狭すぎると詰まりの原因になります。
ワーク寸法に対して幅・高さをプラス何ミリの余裕を持たせるかが重要であり、そのためには部品の立体的な寸法や重量を確認するだけでなく、表面状態についても考慮することが求められます。
トラックの傾斜角が大きくなりすぎると振動で部品を上げることができなくなる可能性がありますし、小さくなりすぎると部品が出口に到達するまで何週もトラックを巻かなければいけません。
また、シュート部分で自重により部品を前に進めるためには、適切な角度に保つことが重要です。角度が急すぎると部品がはねてしまいますし、ゆるすぎると部品搬送が止まってしまう可能性があります。また、振動を利用して部品を搬送するタイプの場合は、ほぼフラットな設計にしつつも振動で部品が自動で進むための傾斜を設計することが大切です。
最適な傾斜角にするため、部品の材質、油の有無、摩擦係数などを考慮して角度を算出することが求められます。
パーツフィーダーでは、部品同士の摩擦や部品とレール間の摩擦が適切でなければ、搬送スピードが低下したり部品同士が嚙みこんで詰まったりするかもしれません。また、部品同士の衝突やレールとの接触で傷ができれば部品の外観不良を起こす、静電気が発生すると部品がトラックやシュートにはりついて詰まったり飛び跳ねたりするなどの不具合が起こる恐れがあります。
これらの対策として、摩擦を減らしてすべりを良くする材質を使う、表面をコーティングする、ワークの貼り付けを防ぐためのブラスト加工や溝加工、を行うなどの対策が必要です。
シュートの先に組み立て機がある場合は、次々と搬送されてくる部品の圧力を逃がす必要があります。流れてきた部品の列から1個を切り離し、次の工程へ受け渡すエスケープメントが重要です。シリンダを使って1個分離する、複数列に分離する、同一方向に重ねる、フラップを開け閉めする、リフトアップするなどの方式があるため、自社の製品に適したエスケープメントを選ぶことが大切です。
パーツフィーダーの設計時に抑えておきたいポイントについて、ワークの特性別に紹介します。起こりがちなトラブルと対策をまとめていますので参考にしてください。
油着・ウェット系ワークは、油膜による吸着現象を防ぐためにワークとボウル・シュートの接触面積を最小化することが大切です。シュート表面などに微小なドット上の突起を設ける「点接触」、ワークの搬送面に細い溝・リブを加工し、ワークを線だけで支える「線接触」設計を検討しましょう。
微小・軽量ワークを扱う場合、静電気や空気抵抗によってワークがふわふわ浮いてしまう恐れがあります。シュートの材質をステンレスやアルミにする、帯電防止剤処理をする、ボウルやシュート上部にカバーを装着する、微弱なエアで制御を行うなどの対策が可能です。
絡みやすい異形ワークをスムーズに供給するためには、ワークの形状に合わせた専用のアタッチメントをつける、正しい姿勢のワークだけ供給できるような段差や傾斜をつける、エアーノズルを配置して絡んだワークを分離するなど設計すると良いでしょう。また、レールの角や隙間に挟まらないよう、逃げテーパー設計にすることも対策になります。
パーツフィーダーのトラック・シュートを次工程と連携する際には、必ず満杯検知センサーの設置が必要です。部品がたまったときに自動でフィーダーの指導を停止させることができます。このとき、誤認知を防ぐ位置にワークの通過確認センサーや満杯検知センサーを配置するようにしましょう。
また、メンテナンス時間を短縮するために着脱性を考えることも大切です。次工程との接続部はスペースが限られていることもあるため工具レスで着脱ができる構造にするなど、現場ファーストの視点で設計しましょう
パーツフィーダーのトラックでは部品の選別・整列を行い、シュートでは搬送や切り出しを行います。つまり、トラック・シュート設計はバラバラのワークや部品を1列に正しい向きに整列させて次工程へ自動輸送するために欠かせないものです。
詰まりや絡まりなどのトラブルを防ぎ、スムーズに搬送するためには適切な設計が求められますが、「ワーク現物」の観察とノウハウが必要となりますし計算通りにいかないこともあるため信頼できるメーカー、業者に相談することが大切です。実機テストや設計の相談窓口を設けているところもありますので、一度問い合わせてみることをおすすめします。
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