極小ワークや薄板バネ、精密電子部品の自動供給では、重なりや噛み込みによるチョコ停が頻発したり、打痕や擦り傷で歩留まりが落ちたりすることがあります。原因を正しく見極め、自社に合った改善策を選ぶことが重要です。
薄い板厚や軽い形状の部品は、一般的な搬送設備が想定する挙動から外れやすく、構造的にトラブルが起きやすいという特徴があります。まずは主な原因を整理します。
板厚が薄いワークや小型部品は、搬送経路の段差やわずかな隙間の影響を受けやすく、重なりや噛み込みによってチョコ停につながります。主な要因は次の3つです。
薄板や精密部品は表面が傷つきやすく、搬送中の接触や落下による衝撃が歩留まり低下の要因になります。具体的には次のような現象が起きています。
既存設備のままでも改善できるケースと、方式そのものを見直す必要があるケースがあります。自社のワーク特性に応じて、最適なアプローチを検討しましょう。
既存のボウルフィーダーを使い続けたい場合は、精密な特注改善が有効です。隙間を極限まで無くした一体成形ボウルや高精度アタッチメントへの交換で、重なりや噛み込みを抑えられます。
ウレタンやテフロンなどの防傷・防音コーティングを施せば、打音や擦り傷も軽減可能です。さらにイオナイザーによる静電気除去や、微細なエアで薄物ワークを1個ずつ分離するエアアシストを組み合わせれば、密着した部品の分離不良にも対応しやすくなります。
根本的な解決を目指すなら、フレックスフィーダーへの切り替えも選択肢です。平坦なベルトやトレイの上にワークを平滑に撒き、カメラによる画像処理で正常な姿勢の部品だけをロボットがピックアップする方式のため、噛み込みや過度な衝撃が物理的に発生しにくいという特徴があります。従来のような選別アタッチメントや急な落差を伴う構造がないため、極小ワークや薄板部品でも安定した供給を実現しやすくなります。
| 比較項目 | ボウルフィーダー(高精度特注) | フレックスフィーダー(画像処理式) |
|---|---|---|
| 薄物・小型部品の選別精度 | △(極小品は職人のすり合わせ調整に依存) | 〇(画像認識のため噛み込みリスクゼロ) |
| 傷つき防止性能 | 〇(コーティング施工で軽減) | ◎(振動が緩やかで落下衝撃がない) |
| タクトタイム(処理速度) | ◎(高速供給が可能) | 〇(ロボットの動作速度に依存) |
| 多品種展開・段替え性 | △(専用アタッチメントの交換が必要) | ◎(プログラム変更のみで即対応可能) |
| 導入コスト | 〇(初期費用を抑えやすい) | △(カメラ・ロボット込みで高額傾向) |
設備の選定や買い替えで失敗しないためには、いくつかの確認が必要です。まず実ワークによる事前サンプルテストを必須にし、実機を連続稼働させた際の詰まり率や傷の有無を数値で確認しましょう。事前の仕様調整でチョコ停の発生率を大幅に下げられたケースもあります。
次に、将来的なワーク形状の変更頻度も考慮し、品種追加が多いならフレックスフィーダー、単一品種ならボウルフィーダーを選ぶとよいでしょう。加えて、メーカーの保全サポート体制も比較しておくと、より安心です。
薄物・小型部品の搬送課題は、ワークの厚みや材質、傷の許容度に応じて、ボウルフィーダーの高精度な改善で対応するか、フレックスフィーダーへの移行で原理から解決するかを見極めることが重要です。まずは自社のワークで事前テストを行い、チョコ停率や傷の発生状況を数値で把握したうえで、自社に合った方式を検討してみてください。
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