こちらの記事では、「衝撃」「摩耗」「過荷重」など重量物がパーツフィーダーに与える負荷や、耐久性を左右する設計技術、機器の長寿命化を実現するための選定基準などについてまとめています。
重量物ワークをパーツフィーダーで扱う場合には、さまざまな不具合が出てくる可能性があります。ここでは、どのような不具合が発生する可能性があるのか、という点についてまとめています。
硬度の高い金属ワークや鋭利な鋳造部品がボウル内に落下したり擦れたりすることによって、ボウル底面やトラック(搬送路)が早期に摩耗してしまいます。特に重量物を扱う場合には衝撃が大きいためにコーティングが剥がれるスピードも早く、偏摩耗やクラック(亀裂)、ボウルそのものの変形につながるリスクがあります。
重量物を大量に投入した場合、総ワーク重量の過大負荷(オーバーロード)が駆動部にかかることになります。このことによってパーツフィーダーの共振点がずれてしまい、設計以上の応力が集中することによって板バネの金属疲労破断を引き起こします。また、無理に振動を発生させようとすることによって、コイルが過熱されて焼損につながる可能性も考えられます。
重量ワークをボウル内に大量に滞留させた場合、重量による振動の減衰が発生してワークが動かなくなります。搬送速度が低下した場合、振幅を無理に上げて対処しようとすると、本体への負荷がより大きくなる悪循環に陥ってしまいます。
重量物に対応するには、構造面での強化が必要となります。
具体的には、板厚の厚いステンレスを採用する、底面やトラック裏面に補強リブを追加して剛性を高める「高耐久ボウル構造と肉厚設計」が考えられます。また、高耐候性・厚膜ウレタンコーティングの施工や、摩耗が激しいアタッチメント部に工具で交換できる超硬プレートやセラミック板の配置を行う「耐摩耗ライニングと交換式ウェアプリート」もポイントといえます。
さらに、「重量物専用駆動部と多軸駆動」として、大型の電磁ドライブユニットや圧電素子の採用、重量に耐えられる多段板バネ(強化板バネ)構造を組み合わせることによって、耐久性を高めていきます。
振動式ボウルでは対応が難しい場合には、別の供給方式の検討が必要です。たとえばワークを階段状のブロックにより持ち上げる「ステップフィーダー(階段昇降式)」が考えられます。この方式は、落下衝撃が小さく、1個数十g〜数百gの重量金属部品だったとしても静音・高耐久での供給が可能となります。
また、「エレベーター(コンベア)+ドラムフィーダー」という組み合わせを採用する、という選択肢もあります。大容量の重量物を下部ホッパーからエレベーターでかき揚げ、上部で整列させることによって、駆動部に対する直接負荷を回避することができます。
ここでは、重量物を扱うにあたって、パーツフィーダーを選定する際のフローに加えて、機器の長寿命化を図るための運用ポイントについてまとめていきます。
重量物をホッパーからボウルに直接落下させた場合、その際の衝撃によりコーティングやボウルの底面がダメージを受けてしまいます。この状態を防ぐために、ホッパーからボウルに直接落とすのではなく、傾斜シュートやゴム系クッションを挟んで落下エネルギーを吸収させ、直接的な衝撃による負荷を和らげるための設計が必要となります。
設計段階において、パーツフィーダーの「最大載置能力」に対し、実際に運用する際の重量をギリギリに設定するのではなく、余裕を持った設計を行うことが大切です。ワークが密集している状況でも安定して稼働できるように、最大能力に対して実運用時の負荷が70%程度に収まるよう余裕を持たせた設計を行うことがポイントになってきます。
重量物の搬送を行う際には、小さな異常も大きな故障につながることがあるため、日常的なメンテナンスが重要です。例えば、板バネ固定ボルトの締め付けトルク管理や、ライニング摩耗限界線について定期的な点検を行っていきます。
このように、メンテナンスを標準化することによって安定した運用に繋げられます。
重量物を扱うパーツフィーダーの場合には、ボウルの偏摩耗や駆動部の破断といったように、大きな負荷がかかるためにトラブルがつきものです。その中で長寿命化を図るには、肉厚なボウル設計、耐摩耗コーティング、交換可能な超硬プレートの導入が欠かせません。さらに、許容重量の安全率確保や日常メンテナンスの標準化、場合によっては振動に頼らないステップフィーダーなど別方式についても検討しながら、現場に合った供給システムの構築を行ってください。
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