こちらの記事では、オーバーフローが発生するメカニズムについて整理しています。さらに、現場ですぐに試すことができるセンサーやメカ対策から、過剰供給そのものを発生させないための供給方式までを解説していきます。
パーツフィーダーでは、オーバーフローと呼ばれる状況が頻発することがあります。この場合、「ホッパーとボウル振幅のバランス調整不足」などさまざまな原因が考えられます。ここでは、オーバーフローが発生する原因についてまとめました。
パーツフィーダーでオーバーフローが発生する原因のひとつとして、ホッパーとボウル振幅のバランス調整が不足しているケースが考えられます。例えば自動供給ホッパーの切り出し量が多すぎる、ボウルフィーダーの振幅設定が低いために搬送機能が不足しているといった場合には、ボウル内部にワークが滞留してしまうことでオーバーフローが発生しやすくなります。
シュート部や整列トラックにて、形状のばらつきやわずかな引っかかりなどによってワークが1つでも詰まってしまうと、そこが原因でオーバーフローにつながります。この場合、1つのワークが詰まることで後続のワークが次々と押し寄せてしまい、ボウルの外にワークが溢れ出す、といった状態になります。例えば詰まりなどをすぐに検知して供給の一時停止を行うといった仕組みがない場合には、被害が大きくなる可能性が考えられます。
ワークそのものの性状変化も、オーバーフローを引き起こす要因となります。例として、製造工程で付着してしまった油分や乾燥した環境で発生する静電気などの影響によってワーク同士がくっついてしまうと、搬送スピードが低下します。このことによって特定エリアにワークが集中的に滞留してしまい、結果として後続のワークが溢れてしまう、という現象につながるケースもあります。
ここでは、現場で実践が可能なパーツフィーダーのオーバーフロー対策について紹介しています。具体的な方法と、それによって得られるメリットや効果についてまとめていますので、参考にしてください。
| 対策項目 | 具体的な実施内容 | メリット・効果 |
|---|---|---|
| 満量検知センサの設置 | シュート部やトラック終端に光ファイバ/透過型センサを設置し、ホッパーの供給を自動停止。 | 供給過多を未然に防ぎ、作業者の手動調整を減らせる。 |
| リターンシュート(逃げ構造) | 整列しきれなかった過剰ワークをボウル底部へ安全に戻すバイパスラインを設ける。 | 整列トラック上での押し合い・重なりによる詰まりを低減。 |
| ホッパーのタイマー・連動制御 | センサ検知だけでなく、ON/OFFの間隔をタイマー制御して波状に供給する。 | ボウル内のワーク量を常に一定(適量)に保ちやすい。 |
オーバーフローを防ぐための方法には、上記のようにさまざまな方法が考えられます。しかし、オーバーフローを防いだり減少させたりできたとしても、チョコ停やワークが傷つくことが増える場合もあります。ここでは、なぜワークの傷が増えるのかなど、対策を行った場合に注意しておきたいポイントを紹介しています。
前述の通りオーバーフローへの対策として、余分なワークをボウル内に戻す「リターン(戻り経路)」を設けているケースがあります。ただしこの構造を用いる際には、リターン経路からボウルの底にワークが落ちる際、落差や衝突によってデリケートな金属や樹脂部品に傷や打痕が生じる原因となる可能性が考えられます。
満量検知センサの設置をすることで、供給過多を未然に防げます。ただし、微細なワークや透明・光沢のあるワークを用いている場合には、センサが誤作動する可能性があります。もし誤作動が発生した場合には、供給が止まりすぎる・逆に供給が止まらないといった状況が発生するために、新たなチョコ停を生むことにつながってしまいます。
パーツフィーダーは設定が非常にシビアとなるため、ワークのロットブレ(=寸法の微小な差)により、センサの位置やバイパス幅の再調整が必要になることから、段取り替えに時間を要してしまいます。このような点から、調整を行って結果的にオーバーフローが減少したとしても、現場のメンテナンスに関する負担は大きくなります。
ワークの過剰供給やオーバーフローをなくすためには、「オンデマンド型供給」を用いる方法が考えられます。ここでは、オンデマンド型供給の特徴についてまとめています。導入によってどのようなメリットがあるのかチェックしてみてください。
従来のボウルフィーダーが抱える問題を解決するための方法として、必要な分のみをフラットな面へ供給するという方法があります。この方法では、ビジョンカメラとロボットを組み合わせるという仕組みを採用しており、平坦なプレート上に必要な分のみワークを散らしてピックアップを行う、という流れになります。
オンデマンド型供給を採用すると、ワークがボウルの中を何度もぐるぐる回ったり、上から落ちたりする工程がなくなります。このことから、部品同士や金属部との不要な摩擦や衝突を大幅に減らせます。この点から、打痕や擦れ傷が物理的に発生しません。
従来必要とされてきた、ワークを整列させるトラックや、アタッチメントそのものが存在しないのも、オンデマンド型供給の大きな特徴です。この点からワークが途中で詰まってしまうリスクがなくなるため、オーバーフローを監視するためのシビアな位置調整から解放されます。このことにより、現場の負担を少なくすることにも繋げられます。
こちらの記事では、パーツフィーダーのオーバーフローが発生する原因や対策について解説を行いました。オーバーフローへの対策としては、センサやリターン構造の調整によって一時的にしのぐことはできますが、ワークが傷ついてしまう点やチョコ停を根本から解決するには、供給方式そのものの見直しが有効であるといえます。ぜひ、本記事でご紹介している「オンデマンド型供給」に注目してみてください。
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