こちらの記事では、パーツフィーダーのリプレイスについて解説しています。検討するタイミングやリプレイス手法、注意しておきたいポイントに加えて、次世代型の設備へのリプレイスについてもまとめています。
パーツフィーダーを長年使用している場合には、いずれリプレイスのタイミングが訪れます。ここでは、どのような状況になった場合にリプレイスを検討するべきなのか、という点についてまとめました。
パーツフィーダーのボウルや整列トラックは、使用しているうちにワークとの摩擦により摩耗や変形が起こります。このような状態になると、たとえ調整を行ったとしてもすぐにワークの詰まりや飛び出しなどのトラブルが発生するようになります。その結果、チョコ停が頻発するようになり、その度に調整を行うといった状況に陥ってしまいます。こうなると生産効率が非常に低下するため、リプレイスを検討することが推奨されます。
パーツフィーダーを長期間使用していると、ボウル内のコーティングが摩耗・剥離していきます。コーティングが剥がれたパーツフィーダーをそのまま使用し続けた場合には、安定したワークの搬送ができなくなる可能性があります。また、繰り返し循環によりワーク同士が擦れてしまい品質基準を満たせなくなってしまいます。
従来のパーツフィーダーは、ワークごとにボウルの形状や傾斜などを作り込むために汎用性を持たせるのが難しく、多品種生産を行う上では課題があるといえます。そのため、品種交換のたびにアタッチメントの調整やシビアな位置調整が必要となることから、段取り替えに膨大な時間がかかります。
あまりに段取り替えに時間がかかると生産効率も悪くなるため、リプレイスを検討するのもひとつの方法といえます。
パーツフィーダーを安定的に稼働させるには、長年の経験に基づく技術が必要とされることがあります。しかし、機器を正しく動かすための微調整の手順が感覚的(職人技)となっていると、担当者が不在の際にはトラブルが復旧できないといった状況も考えられます。例えばチョコ停が頻発しており早急に調整が必要な場合でも、担当者不在のために対応できず、長時間のライン停止につながる可能性もあります。
パーツフィーダーをリプレイスする際には、いくつか方法が考えられます。ここでは、「買い替え」「オーバーホール」「フレキシブルフィーダーへの変革」という3つのリプレイス手法を解説します。
まず、現在使用しているパーツフィーダーと全く同じ機種や同等品に買い替える方法が考えられます。この方法を選択した場合のメリットは、機器の設置スペースや制御ロジックをそのまま流用可能である、という点です。
ただし、チョコ停やワークの傷つき、品種対応力が課題となっている場合には解消されないという点がデメリットです。そのため、完全同一ワークの量産ラインにおいて、単純に機械的な寿命を迎えた場合の選択肢であるといえます。
専門メーカーに依頼し、オーバーホールを行う方法もあります。この場合、パーツフィーダーを新調するケースと比較するとコストを低く抑えられる点がメリットですが、フレームや駆動部の経年劣化が解消されるわけではないため根本的な改善にはなりません。そのため、予算が限られており一時的に設備状態を回復させたい場合の選択肢となります。
従来のボウル式のものではなく、ロボットやビジョンカメラを組み合わせた「フレキシブルフィーダー」を導入する方法です。この方法であれば、チョコ停や傷、段取り替えの課題を根本解決することができますが、ロボットやビジョンシステムの初期導入コストが発生します。こちらは多品種生産や傷が厳禁となるワークを取り扱う、省人化・全自動化を目指す場合に検討したい方法です。
リプレイスを検討している場合には、注意しておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、あらかじめ押さえておきたい「落とし穴」を紹介しますので、選定時の参考にしてください。
リプレイスを行った際、過去に安定稼動していたボウルフィーダーの図面をそのまま流用して新調したとしても、現在のワークにおける製造ロットや寸法公差(微小なバラつき)などが変化していることで、当時と同じ動きにならないケースもあります。このような点から、リプレイスを行ったにもかかわらずワークが詰まってしまい、チョコ停が頻発するという状況に陥る可能性が考えられます。
ボウル式のパーツフィーダーは、基本的に特定の部品専用の形状としてトラックの加工を行います。そのため、新たなワークが追加されるたびに数千〜数万円の改造費が発生し続けることになります。さらに、数週間の納期もかかるため、すぐに新たなワークに対応できないといった状況も考えられます。
新たなパーツフィーダーを導入する際、熟練者の調整スキルがある前提で選定してしまうケースがありますが、これは避けることが望ましいといえます。例えば導入直後は、メーカーの技術者の調整によって安定して稼動していたとしても、自社の現場で維持管理ができる技術者がいなければ、結局チョコ停が再発してしまいます。
チョコ停やワークの傷つき、段取り替えゼロを目指すのであれば、フレキシブルフィーダーなどの「次世代型」へのリプレイスの検討がおすすめといえます。次世代型へリプレイスすることにより、どのようなメリットがあるのかをまとめました。
フレキシブルフィーダーなど次世代型の設備は、従来のボウル型のようにワークに合わせた専用アタッチメントを使用しません。ビジョンカメラとロボットを組み合わせることによって、機械的なゲートや狭い通路を通す必要がなくなります。このように機械的な引っかかり構造が存在しないため、ワークの詰まりや噛み込みが構造上発生しない、ということになります。
もし新しいワークが増えたとしても、カメラに形状を登録するのみで対応が可能となります。即日対応ができる点に加えて、機械的な改造費用も不要になる点は次世代型にリプレイスを行う大きなメリットと考えられます。
従来のパーツフィーダーの場合、ワークをボウル内で循環させるため、ワーク同士が干渉するなどして擦り傷や打痕が避けにくいという構造となっていました。フレキシブルフィーダーでは、フラットなプレートにワークを広げてロボットがピックアップを行っていくため、傷つきや打痕がつくことを防げます。この点から、製品の品質が安定するという点がメリットといえます。
従来のパーツフィーダーでは「属人化」が課題となることがありましたが、次世代型へのリプレイスにより熟練者によるシビアな手調整が不要となります。さまざまな項目がデジタルで数値化されており、タッチパネルを用いて直感的に設定や保存を行えます。また、日常のメンテナンス手順なども標準化できるため、省人化にも貢献します。
こちらの記事では、パーツフィーダーのリプレイスについて解説を行ってきました。リプレイスは既存設備を単純に更新するだけではなく、フレキシブルフィーダーなどの方式に刷新することによって、さまざまな課題を解決し、ライン全体の生産性や品質が飛躍的に向上することが期待できます。
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