異形ワーク供給においては、チョコ停やワークの傷つきなどのトラブルが発生することがあります。こちらの記事では、なぜ異形ワークをパーツフィーダーで扱う場合にトラブルが頻発するのかを解説します。従来のボウル式での限界に加え、根本的な解決を目指すための方法についてまとめました。
異形ワークをパーツフィーダーで同一の姿勢に整列させようとした場合、さまざまなトラブルが発生することがあります。ここでは、異形ワークを用いた場合になぜパーツフィーダーでトラブルが発生しやすいのか、という点について3つの観点から解説をしていきます。
異形ワークは、それぞれの形状が均一ではありません。パーツフィーダーは、ワークを振動させることによって決まった姿勢に整列させて次の工程に送り出しますが、異形ワークに振動を与えると挙動が不規則になりやすいという問題があります。この点から、整列トラック上でワーク同士の重なりが起こる・姿勢不良が発生するといった状況が引き起こされてしまいます。
複雑な突起や隙間のある異形ワークでは、パーツフィーダーにおける選別用のアタッチメント(爪やゲート)に挟まるといった状況が起こりやすいといった面もあります。このように、ワークの引っかかりや噛み込みが多発することが、一時的な設備停止である「チョコ停」が引き起こされる大きな原因となっています。チョコ停が発生すると、現場における生産性が低下してしまいます。
微細な差しかない異形ワークの場合には、メカニカルな選別だけでは限界があります。このような場合には、機械的な引っかかりだけでは表裏・上下の判別をしきれないため、間違った向きで排出されてしまう、という状況につながります。
以下では、ボウル式パーツフィーダーにおける異形ワークへの対策についてまとめています。それぞれの方法のメリットに加えて、異形ワークに対するデメリットと限界を簡単に解説していますので、参考にしてください。
| 対策・対応 | メリット | 異形ワークにおけるデメリット・限界 |
|---|---|---|
| 高度なアタッチメント設計 | 従来の設備構成のまま対応可能 | 制作・調整に高度な職人技が必要。ワークの微小な公差(寸法バラつき)で詰まる。 |
| ボウル内のコーティング強化 | ワークの傷防止・静音化 | 異形ワークの鋭利な角などでコーティングが摩耗しやすく、定期メンテナンスが必要。 |
異形ワークに対応するために、アタッチメントの設計で対応するという選択肢も考えられます。しかしギリギリまでアタッチメントを追い込んでしまうと、逆に「ワークのロットブレ(寸法のばらつき)」への対応が難しくなります。結果として、チョコ停が増えるといった状況が発生してしまうケースもあるため注意する必要があります。
上記に挙げてきたような、異形ワークに関連した課題を解決するには「フレキシブルフィーダー」を使用するという方法があります。このフレキシブルフィーダーは、さまざまな形状や種類のワークを処理できる機器です。ここでは、フレキシブルフィーダーを用いた場合にどのようなことが可能になるのかをまとめていきます。
フレキシブルフィーダーは、平坦なプレートの上にワークを撒いて前後左右の振動を利用することによってワークを分散・ほぐす仕組みを用いています。従来のパーツフィーダーのように、選別を行うためのトラックや複雑な専用のアタッチメントが不要となるため、異形ワークの突起や隙間がひっかかってしまう、アタッチメントに挟まってしまうといった状況がなくなります。その結果、噛み込みによるチョコ停が構造上発生しなくなります。
ロボットやビジョンシステム(画像処理カメラ)などさまざまな技術が用いられている点は、フレキシブルフィーダーの特徴のひとつです。プレート上に散らばっている異形ワークの複雑な形状や表裏、向きなどをAIやビジョンカメラで瞬時に認識・解析を行います。その中で、正しい姿勢となっているワークのみをロボットがピックアップすることから、供給エラーを防ぎ、安定して次の工程に供給できるようになります。
フレキシブルフィーダーの場合には、ボウル内でワークが長時間もみほぐされることがないため、ワーク同士やボウルの表面と擦れ合うことによる擦り傷や打痕を防げます。また、プレートの材質を選択できるのもフレキシブルフィーダーの特徴であり、ワークに合った材質のものを使用できます。このような点から、デリケートな樹脂成形品や精密金属の傷を大幅に減らします。
品種の追加や設計の変更にも対応ができる点も、フレキシブルフィーダーの特徴です。扱うワークの形状やサイズなどが変更になっても、アタッチメントの再設計などは必要ありません。ワーク形状が変わった場合には、カメラのプログラム登録を変更するのみで対応でき、機械的な改造は不要となります。
異形ワークを扱う際のパーツフィーダーを選定するにあたってチェックしておきたいポイントをまとめました。実際に導入を検討する際には、下記の点について確認しながら選ぶことがおすすめです。
異形ワークを扱う際に発生するチョコ停や傷つき・打痕などの問題は、アタッチメント調整の限界を超えているケースが多く見られます。このような場合には、画像処理とロボットを組み合わせた供給方式に移行することによって、問題の解決につながるといえます。
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