長期間パーツフィーダーを稼働させている場合、経年劣化による振動不良や供給トラブルにつながることがあります。このようなトラブルを解消するには、定期的なメンテナンスやオーバーホールを行うことが必要になってきます。こちらの記事では、オーバーホールが必要なサインや新品へ買い換えた場合と比較したコストや工数メリットなどについてまとめています。
パーツフィーダーのオーバーホールを検討すべき劣化サインは、さまざまなものがあります。
例えば、搬送速度の低下や振動ブレが発生している場合には、板バネのへたりや金属疲労による亀裂が発生している、固定ボルトが緩んでいるということが原因として考えられます。また、ワークの傷や詰まりが発生するなら、ボウルの内面コーティング(ウレタンやテフロンなど)の摩耗や剥がれが原因として挙げられます。
二重供給や逆さ通過などの選別不良が見られる場合には、トラックアタッチメント(選別ブロック)の摩耗や変形が考えられますし、異常音や発熱が発生しているのであれば、電磁石(コイル)の老化や防振ゴムの劣化によるフレーム共振が疑われます。
このようなサインが見られる場合には、オーバーホールについて検討をすることが推奨されます。
新品への買い替え(更新)と比較した場合、オーバーホールを行うことによりさまざまなメリットがあります。
まず、新品を一から設計するケースと比較した場合には費用の抑制が可能であるため、コスト削減につながります。オーバーホールの場合、ウレタンコーティングなどの再処理や部品交換のみで済みます。
また、ライン復旧時間を短縮できるといった面もあります。これは、架台寸法や制御回路、既存ラインとのインターフェースを変更せずにそのまま活用できることから、再立ち上げ工数を削減可能です。
そして、図面がない旧型機や廃盤機を使用している場合にも、オーバーホールであれば既存のボウル形状を生かしながら、消耗品の交換と再調整(現物合わせ)によって性能を復元することができます。
一般的に、オーバーホールは下記の工程で行われます。
まずは引き取り・全分解検査として本体の分解を行い、板バネのクラック(亀裂)検査や、コイル絶縁抵抗の測定などを行います。その後、既存コーティングを剥離して再塗布する、ボウルやトラックの摩耗・クラック部の肉盛り溶接修繕を行う再コーティング・溶接補修を行います。
さらに、板バネや防振ゴム、電磁コイル、ボルト類を新品に交換する消耗品・駆動部の交換を行い、最後に実ワークを使用した供給能力(タクトタイム)や選別精度、周波数(共振点)の調整を行うアタッチメント調整・テストを実施します。
実際にオーバーホールを依頼する際には、注意点や事前に準備すべきことがあります。どのような点に注意すべきか、また事前に準備をすべきかをまとめました。
オーバーホールを行った後に精密な調整を行うには、実ワークでのテストが欠かせません。経年によりワーク自体の寸法や材質が変わっているケースがあることから、最新の良品および不良品ワークを準備しておきます。
通常2〜4週間ほどかかる作業期間中のバックアップについて検討することも必要になってきます。予備ボウルの確保や手供給への切り替えについて確認しておくことが大切です。
ただし、長期連休など工場の稼働休止期間を利用し、短期間で再コーティングを行うなど、生産停止を防ぐ対応が可能な業者もあります。
使用しているパーツフィーダーが、メーカー撤退品だったり図面がない旧型機だったりするケースも少なくありません。そのため、オーバーホールを検討・依頼する際には、自社製以外のメーカー品や図面なしの機器だったとしてもオーバーホールに対応が可能な専門の修理業者やサードパーティを選定することが求められます。
オーバーホールは単にパーツ交換を行うだけではなく、振動調整やアタッチメントについて精密な再再現(現物すり合わせ)技術が求められます。経年劣化による搬送不良や選別ミスといった初期症状を見逃さずに、定期的な点検を行うこと、早めのオーバーホール計画を立てることにより、コストを抑えつつ安定した自動供給ラインを維持してください。
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